令和2年(2020年)6月1日

 今日から6月です。
 梅雨入り前のこの季節、私の地元・岩国市錦町では至る所でホタルを鑑賞することができます。昨年から今年にかけては河川の増水が少なく、ホタルの幼虫のエサとなるタニシなどが流されなかったこともあってか、今年はたくさんのホタルが乱舞して特別な美しさがあるように感じます。新型コロナウイルスの影響で厳しい生活を強いられている方も多いと思いますが、新しい生活様式を実践されながらも、ホタルの優美な舞に束の間の癒しを感じられてみてはいかがでしょうか。

 さて、我々の日常生活を一変させた新型コロナウイルスとの闘いは、この1ケ月で大きく進展しました。
 4月7日に発令された緊急事態宣言は、同16日に対象地域が全国に拡大された後、5月14日には山口県を含む39県で、21日に京阪神3府県で、そして、25日には全都道府県で解除されました。
 安倍総理は25日の記者会見で、「日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた。日本モデルの力を示した」と述べられました。
 爆発的な感染拡大が発生した欧米では、長期にわたるロックダウン(都市封鎖)が行われている国もありますが、日本では罰則を伴う強制的な外出規制等を行うことはできないため、「自粛」という言葉のとおり、国民一人一人が自ら進んで「3つの密」を避け行動を慎んできました。
 その結果、日本の感染者数や死亡者数は、主要先進国の中でも圧倒的に少なく抑え込むことができています。国連のグテーレス事務総長が「日本の感染症への対応は世界において卓越した模範である」と言われていますが、前例のない未曾有の事態の中で、安倍総理のリーダーシップの下で取り組まれてきた日本の対策が高く評価されたことは、私は率直に評価したいと思います。日本国民として、山口県民として、そして自由民主党の一員として大変誇らしい思いです。
 緊急事態宣言の解除は、「終わり」ではなく「新たな日常」のスタートです。
 これからは発想を変え、新しい生活様式の中で、新しい日常をつくり上げていく必要があります。そして、大きな影響を受けている社会経済活動を、V字ともU字とも言われる回復軌道に確実に導いていかなければなりません。

 緊急事態宣言が続く4月30日に、県議会臨時会が開催され、補正予算が成立しました。この臨時議会では、県民の生活と生命を守るために必要な当面の対策として県民の皆様のくらしや産業などを支える補正予算を措置したものですが、補正予算案に対する質疑の中で自由民主党会派からは、「県民・事業者の不安を解消するためのメッセージ、県民・事業者に寄り添った対策としては質・量ともにまだまだ不十分」、「事態収束後の反転攻勢に向けた需要喚起と社会変革の推進の部分がすっぽり抜け落ちている」と、執行部に対してかなり厳しい指摘が行われました。
 また、苦渋の選択として、改革期間4年目に入った行財政改革の取り組みについては、一旦凍結して、新型コロナ感染防止対策と社会経済活動の回復に全力を傾注することも提案しました。
 新型コロナウイルスの第2波、第3波に備え、引き続き対策を講じていくことはもちろん最優先ですが、長期戦も想定される新型コロナウイルスとの闘いと私たちの生活を両立させるため、日常生活や経済活動等に多大な影響を受けておられる県民・事業者の皆様が、安心して希望をもって前に進んでいくことができるよう、現下の厳しい状況に寄り添った出来うる限りの対策を講じていかなければなりません。
 そして、今月中旬に開会予定の6月定例会では、地域や市町の皆様のご意見やご要望を踏まえ、新型コロナウイルス対策をはじめ今の県政の重要課題について、私自身も考えをしっかり整理し、準備していきたいと考えています。


令和2年6月1日