令和3年(2021年)12月11日

 12月になり、冬らしい寒さになってきました。今年は、南米ペルー沖の海水温が平年よりも低い状態が続くラニーニャ現象の影響で、遠く離れた日本に寒気が流れ込みやすいため、いつもの冬より寒くなるようです。最近は、大雪による車の立ち往生が毎年のようにニュースになりますが、交通が遮断され、物流や通勤・通学、通院など、私たちの生活にも大きな影響が生じる可能性があります。大雪や路面が凍るような寒さがどの程度起こるかわかりませんが、車の冬用タイヤの装着や家庭の暖房機器の点検、農作物や農業用ハウスへの事前の対策など、早めの備えをしていただきますようお願いします。

 11月30日に県議会11月定例会が開会しました。
 新型コロナの感染状況は、緊急事態宣言等が全面解除された10月以降、落ち着いた状況にありますが、新たな変異ウイルス、オミクロン株の流行が懸念されるなど、今後の感染拡大への備えは依然として必要な状況です。それと同時に、急務となっているのが、疲弊し切った経済の回復です。特に観光産業の落ち込みは深刻です。観光は、観光立国を目指す政府を挙げた取り組みもあり着実に成長を遂げてきましたが、コロナの直撃により国内外の観光需要は激減し、地域経済に深刻な影響を及ぼしています。
 このため、我が自由民主党は、商工観光部会を中心とした県内宿泊施設への緊急訪問を通じて、現場の声をしっかりと聴かせていただき、観光需要の喚起など必要な支援策をとりまとめて知事に要請を行いました。また、12月6日の代表質問では、観光産業の復活に向け、県が10月に策定した「山口県観光V字回復プラン」の実現のための取り組みを強く求めました。
 これに対し、県からは、「自由民主党からの要請をしっかりと受け止め、誘客の基盤となる宿泊施設に対し、来年度にかけて切れ目のない総合的な支援を行う『やまぐち観光振興支援パッケージ』を今回の補正予算に盛り込んだところであり、今後、更なる取組の加速化を図る」、「本県経済を支える観光産業の復活と、本県観光のV字回復の実現に向けて、全力で取り組んでまいる」との答弁がありました。

 また、12月10日には、私にとって5回目となる一般質問を行いました。
 まず、冒頭で、「ワクチン接種のここまでの浸透も、現在の落ち着いた感染状況も、菅前総理のリーダーシップなくしては成し得なかった」ことに触れ、「政治は、批判を受けながらも信念を持って、現実的な政策を着実に実行して結果を出していくことがいかに重要であるかということを改めて感じている」という、私の思いを述べました。
 そして、飲食店では、以前のようには客足が戻らないという話もお聞きしていますので、コロナと共存する社会経済活動に具体的な道筋をつけるべく、私も全力で取り組んでいく覚悟であることを申し上げ、次の5項目について質問をしました。

 1 基地交付金による地域振興について
 (1)県立武道館の整備について
 (2)県東部地域の産業振興支援機能の構築について
 2 コロナ後を見据えた本県観光の魅力向上について
 3 カーボンニュートラルに向けた森林づくりの推進について
 4 岩国・和木地域の道路整備の推進について
 5 ダムによる治水対策について

 このうち、基地交付金による地域振興については、11月11日に、県及び2市2町の基地議連で構成する「岩国基地問題議員連盟連絡協議会」の幹事長として、顧問の柳居議長、代表の槙本先生らとともに、国に対して、今年度末で支給が終了する市町への交付金の継続と恒久化等を強く要望したことを紹介した上で、県交付金の活用により検討が進められている県東部地域の産業振興支援機能の構築について、県の考えを尋ねました。
 県からは、「東部地域の産業振興における企業支援やビジネス交流の中核的な拠点とするため、商工団体や公共施設との連携による拠点性の向上や交通アクセスなどを総合的に勘案し、岩国商工会館敷地を候補地に選定した」、「関係機関と緊密な連携を図りながら、効果的な産業振興に係る支援機能の早期構築に向けて着実に取り組んでいく」との答弁がありました。
 また、平瀬ダムをはじめ3つのダムの整備が進められる中、氾濫を防ぎ、水害から県民のくらしを守るためのダムによる治水対策について、県の考えを尋ねました。
 県からは、「平瀬ダムは、令和4年秋頃から、ダムを満水にして安全性を確認する試験湛水を実施する」、「複数のダムを有する錦川水系は、平瀬ダムの運用開始に合わせ、各ダムの特性を踏まえつつ、相互に連携を図ることで、より効率的・効果的に事前放流を実施する必要があるが、利水者への影響が大きいことから、事前に関係者の十分な合意形成を図るため、工業用水や水道用水などの利水者とで構成する協議会を設置し、事前放流の実施方法等について、令和5年度の出水期からの運用開始に向け、具体的な検討を進める」との答弁がありました。

 来週は、総務企画委員会が開催されますので、感染拡大時にも行動制限の緩和を可能とする「ワクチン・検査パッケージ」の導入・定着など、感染対策と日常生活の回復の両立に向けた補正予算について、しっかり議論を深め、より効果的な取り組みにつなげていきたいと考えています。

 新型コロナには、引き続き十分な警戒が必要ですが、日常生活を取り戻すことにも力を注いでいく必要があります。感染対策と経済の回復、その両立に引き続き全力で取り組んでまいりますので、県民の皆様の引き続きのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 
(お知らせ)
11月定例会における一般質問と執行部の答弁については、別添の「一般質問 質疑記録(速報版)」をご参照ください。
一般質問 質疑記録(速報版).pdf


令和3年12月11日